クーリエ・ジャポン2021年12月号で気づいた「女性のプログラマー」が育たないわけ
色々考えさせられることになった、
COURRiER Japon (クーリエジャポン)[電子書籍パッケージ版] 2021年 12月号 [雑誌]
をご紹介します。
「エンジニア不足の日本は、女性に活躍の場を作ることができるか?」
という特集です。
小学生からプログラミングに興味を持ってもらいたい、と思っていたのですが、むしろ女の子「にも」興味を持ってもらえないか、そう考えてました。
しかし、今回の記事を見て、その考えを改めなければならないと思いました。
なぜか。
まずはこれです。
つまり高校で理系か文系かの決定を迫られる時期になると、女子の数学や理科に対する興味や自信が急速に失われることが、調査やデータで明らかになっている。
せっかく小学生時代にプログラミングに興味を持てたとしても、女性は、高校の段階で、学校や社会の構造的に「理系ではない分野へ」の大きな流れに巻き込まれます。
私は男性なのですが、女性なら、よっぽど理系に特別な理由がなければ、文系に行くと思います。
だって、、、
・友達が文系に行くから
・理系ってなんか冷たそう
・男の子が多く行くところでしょ
・数学とか理科って国語や社会と比べて堅苦しそう
・先生が男ばかり
・理系ってなんかかわいくない
理系を選択する理由がない、、、
特に最後の理由などは、もう感覚論。
でも、文系であれば楽しい物語、社会では魅力的な歴史上の人物や、海外の偉人などを知ることができて、理系に比べれば、「かわいい」のかも。
この流れはそんな簡単には変えられそうもないと感じました。
そもそも、日本では、男女平等の概念がなく、福沢諭吉が
「なぜ男女は平等なのか」
を知らせるために、「日本男子論」の中でこう伝えていました。
「男女同数論」(世の中に男女は同じ数だけ生まれる)
何を当たり前のこと、、、
しかし、当時の状況では、「ここから説明しないと皆はわからない」と福沢諭吉は判断して、そこから少しずつ日本は変わっていきました。
でも、まだ道半ばです。
今でこそ、「イクメン」「女子力の高い男性」など、女性が行ってきた行動の価値を男性が認め、行動している考え方もありますが、特定の年代、状況に絞ったもので、依然として、その状況以外では、男女差別は存在します。
また、航空宇宙エンジニアの伊藤美紀氏の言葉も印象に残ります。
「悪者の戦うとき、男の子はロボットを使いますが、女の子は魔法を使います。なぜその逆をあまり見かけないのか、不思議に思っていました」
イメージとして、
・男性(ロボット→機械工学→理論)
・女性(魔法→論理では説明できない力→感覚・感情)
という構造が出来上がってしまっているのかもしれません。
斎藤明日美氏と田中沙弥果氏の運営する「ワッフル」という非営利団体も紹介されており、女子向けのプログラミング学習により、女性はプログラミングできない、というイメージを払拭しようとしています。
このような取り組みがもっと増えれば、女性の社会的地位の向上にもなり、遅れている日本の男女平等化も進んでいきますね。
世界の中で日本はどうなっているのか。
内閣府の内部部局の一つ、男女共同参画局のサイトに、世界経済フォーラムが公開する「ジェンダー・ギャップ指数2021」が載っていました。
アイスランドが1位で日本が、、、120位。。。
低くなった大きな原因は、「経済」及び「政治」ということですが、これはひどい。
各国がジェンダーギャップに取り組む中、日本が後れを取っている、ということで、子供向けプログラミング教育も重要ですが、ジェンダーギャップも踏まえて動かないと、女性のプログラマーは増えていかないと思われました。
回り道になるかもしれませんが、子供向けプログラミング教育のため、今後は、ジェンダーギャップに取り組む1位、アイスランドについても調べていきたいと思います。