子供にプログラミングを教える方法

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ファインマンさんのエピソードで印象に残っているシーン

物理学者でノーベル賞を受賞した、リチャード・ファインマンさんはご存知でしょうか。

「天才」と言われる人のなかでも、さらに「天才」とも言われる頭脳の持ち主です。

計算能力も素晴らしく、『ご冗談でしょう、ファインマンさん(下)』という本の中の「ラッキー・ナンバー」という章で

そろばん名人との計算対決シーンがあります。

とても好きなシーンなので、ご紹介したいと思います。

まず簡単な計算、これはそろばん名人が早く答えを出し、勝ちます。

しかし、難しい問題になってくると、ファインマンさんの答えを出すまでの時間と、そろばん名人の時間が縮まっていきます。

そこで次の問題をそろばん名人が出します

「1729.03の3乗根だ!」

同じ数を3回かけて、1729.03 になる、その数を求める問題です。

この答えを出すための式はありません。それでも何とか方法を考えなければなりません。

そろばん名人が「うーん」とうなりながら、頭を抱えて悩んでいます。

一方、ファインマンさんは, ただ座っているだけ。

場所はカフェです。対戦中、ウエイターの人が心配してファインマンさんに聞きます。

「あのう・・・何してるんですか?」
.
ファインマンさんは頭を指さして

「考えてるんだよ」(←ここが好き!)

この後、ファインマンさんが見事に先に答えを出し、そろばん名人は負けました。

ファインマンさんが使ったのは、たまたま覚えていた 12×12×12 = 1728 という答えと、テイラーの公式と呼ばれる式でした。

対戦のあとでファインマンさんはそろばん名人について考えました。

そろばんの名人は、数というものの内容を理解していない。(←ここも好き!)
そろばん玉を押しあげたり下ろしたりすることで計算しているだけ。

私は日本人として、そろばん名人が負けてしまったのは悔しかったのですが、それでもファインマンさんをすごいと思いました。

今回はそろばん名人の話でしたが、「そろばん名人」を「コンピュータ」に変えたとしても、同じことが言えると思います。

どんなに高速に答えが出せる能力があったとしても、それを解く手がかりは人間自身が考えなければなりません。

手がかりを考えもせず、やみくもに計算だけしようとすると、今回負けてしまったそろばん名人のようになってしまいます。

私たち全員がファインマンさんのような考え方はできませんが、

子どもたちには、プログラミングで単純に早く計算できただけで満足せず、

「どうやって解くか」「より良い方法で解くにはどうすればよいか」を考える大切さを知ってもらいたいと思います。

※我が子にもこのエピソードを伝えたのですが、3乗根は小学生は聞いたことがないので、
いまいちこの凄さが理解できていないようでした。
うまく伝えられなかったのが悔やまれます。

小学生でも近似法自体は理解できると思うので、何か良い例ができたら再チャレンジしたいと思います。